
SEOを月30万円で外注しています。社内でやれば、その分まるごと浮きますか。

浮くとは限りません。月30万円の外注を内製に置き換えるには、実効時給の計算で月132時間、週にすると約31時間を社内から出す必要があります。やる気ではなく、時間の見積もりから決めてください。
インハウスSEOの解説記事を読むと、メリットの筆頭に「外注費を削減できる」と書かれています。ところが、削減できる金額と、その代わりに社内で発生する人件費を並べて比べた記事はほとんど見当たりません。片側だけを見て内製に踏み切ると、外注費が消えた分だけ担当者の残業が増えます。
この記事では、厚生労働省の賃金統計から内製担当者の実効時給を割り出し、外注費と釣り合う投下時間を計算しました。数字の出どころと計算過程はすべて開示しますので、自社の給与水準に置き換えて再計算してください。
- インハウスSEOとは、SEOの企画から実行までを社内で完結させる運用体制です。全部か全部でないかの二択ではなく、セミインハウスという中間があります
- 厚生労働省の統計にある所定内給与額330,400円から計算すると、内製担当者の実効時給は2,254円になります
- 外注月30万円と原価が釣り合うのは、内製に月132時間(週約31時間)を投下できる場合です
- 外注月50万円だと必要時間は週51時間になり、法定労働時間の週40時間を上回る計算です。1人の内製では代替できません
- ツール費はSearch Console・アナリティクス・Looker Studioの無料3点から始められます。最初から有料ツールは要りません
- 1か月での効果判定は早すぎる判断です。Googleは数週間待ってから確認するよう案内しています

株式会社オークスでは実際のWebコンサルタントである、柏倉元太(@genta_oaks)が記事を監修。
月間数十万PVのメディアを複数運営しながら、現在はSEOからSNS、YouTubeまで様々な分野のマーケティング企業を運営。
インハウスSEOとは?外注・セミインハウスとの違い
まず言葉の範囲をそろえておきます。ここがずれたまま社内で話すと、議論が噛み合いません。
インハウスSEOの定義と担当範囲
インハウス(in-house)は「社内の」という意味です。インハウスSEOとは、SEOの戦略設計から実行、効果測定までを外部に委託せず社内の人員で回す運用体制を指します。SEO内製化もほぼ同じ意味で使われます。
ここで押さえておきたいのは、SEOがひとつの作業ではないという点です。実務では次の6領域に分かれます。
- キーワード調査と優先順位づけ
- 記事や商品ページの企画・執筆・編集
- 公開済みページの改善(リライト)
- 内部対策(サイト構造・表示速度・インデックス制御)
- 外部からの評価獲得(被リンク・言及)
- 効果測定と経営への報告
6領域のうち、社内に持ちやすいのは上の3つです。内部対策はエンジニアの工数を押さえる必要があり、被リンク獲得は広報や営業の動きと絡むため、担当者1人では動かせません。内製化の議論が空中戦になるのは、この難易度の差を無視して「SEOを内製する」と一括りにするからです。
完全内製・セミインハウス・完全外注の3パターン
体制は3つに分かれます。原価の構造が変わる点に注目してください。
| 体制 | 社内が担う範囲 | 主な費用 | 費用の性質 | 向く状況 |
|---|---|---|---|---|
| 完全内製 | 6領域すべて | 人件費+ツール費 | 固定費(人員に紐づく) | 専任を置ける、更新頻度が高い |
| セミインハウス | 企画・執筆・測定 (設計と技術は外部) | 人件費+一部外注費 | 半固定 | 知見はないが手は動かせる |
| 完全外注 | 意思決定と承認のみ | 外注費 | 変動費(止められる) | 担当者を割けない、立ち上げ期 |
見落とされがちなのが、いちばん右の費用の性質です。外注費は契約を切れば止まりますが、内製の人件費は担当者を採用した時点から固定費になります。成果が出なかったときに引き返しにくいのは内製のほうです。
最初から完全内製を目指す必要はありません。実務でうまくいきやすいのは、記事の企画と執筆だけを社内に持ち、戦略設計と内部対策を外部に残すセミインハウスです。
インハウスSEOの検討が増えている2つの背景
1つ目は生成AIの普及です。総務省の令和7年版情報通信白書によると、生成AIを「積極的に活用する」または「活用を検討中」と回答した企業は49.7%でした。前年度の42.7%から7ポイント上がっています。企画・営業・マーケティング領域での活用は47.3%です。
下書きをAIに任せられるなら、記事制作のハードルは以前より下がります。ただし、後述するとおり下書きが速くなっても、事実確認と手直しの時間は残ります。
出典は総務省「令和7年版 情報通信白書 企業におけるAI利用の現状」です。
2つ目は、外注費が固定費として積み上がった点にあります。SEOの外注は月額契約が主流で、成果が出ても出なくても毎月同額が出ていく契約です。半年、1年と続くうちに累計額が視界に入り、内製という選択肢が浮上します。
外注側の相場は別記事にまとめています。

インハウスSEOの原価を月額で計算する

ここからが本題です。内製の原価を、人件費・ツール費・AI利用料の3つに分けて積み上げます。
人件費:賃金統計から実効時給を割り出す
内製の原価の大半は人件費です。ところが「担当者の時給がいくらか」を自社で把握している会社は多くありません。公的統計から順に組み立てます。
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額は男女計で330,400円でした。男性は363,100円、女性は275,300円です。
| 区分 | 所定内給与額(月額) |
|---|---|
| 男女計 | 330,400円 |
| 男性 | 363,100円 |
| 女性 | 275,300円 |
次に月間の労働時間です。労働基準法では法定労働時間が定められており、厚生労働省は「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません」と説明しています。1日8時間・月20日勤務なら月160時間です。
ここから給与ベースの時給が出ます。
330,400円 ÷ 160時間 = 2,065円
ただし企業が負担するのは給与だけではありません。社会保険料の事業主負担が上に乗ります。日本年金機構は「事業主と被保険者とが半分ずつ負担します」と明記しており、厚生年金保険料率は平成29年9月以降18.3%で固定されています。労使折半なので事業主の負担は9.15%です。
厚生年金の分だけを乗せて計算します。
2,065円 × 1.0915 = 2,254円
この記事では以降、実効時給を2,254円として計算します。健康保険・雇用保険・労災保険の事業主負担、賞与、採用費、PCやオフィスの費用は含んでいません。実際の企業負担はこの数字より大きくなります。低めに見積もった数字でも内製が割高になるなら、判断としては十分です。
出典は厚生労働省「労働時間・休日」と日本年金機構「厚生年金保険の保険料」です。
ツール費:無料で足りる範囲と有料が要る境目
ツール費は、多くの記事が書いているほどかかりません。立ち上げ期は0円で成立します。
| ツール | 費用 | できること |
|---|---|---|
| Google Search Console | 無料 | 検索クエリ・掲載順位・表示回数・インデックス状況の確認 |
| Googleアナリティクス | 無料 | 流入経路・行動・コンバージョンの計測 |
| Looker Studio | 無料 | 上記2つを統合したレポート作成 |
この3点があれば、どのキーワードで何位に表示され、何人が来て、何件問い合わせがあったかまでは全て追えます。SEOの意思決定に必要な情報の大半はここに入っています。
有料ツールが要るのは、自社データの外側を見たくなったときです。境目は次の3つです。
- まだ自社が順位を取れていないキーワードの検索ボリュームを知りたい
- 競合サイトがどのキーワードで流入を得ているか調べたい
- 被リンクの獲得状況を自社と競合で比べたい
この3つはSearch Consoleでは分かりません。逆に言えば、既存ページの改善に集中している間は有料ツールなしで進められます。最初の3か月は無料の3点だけで十分です。
有料ツールの費用帯と選び方はこちらで整理しています。

AI利用料:生成AIを組み込んだ場合の追加コスト
生成AIの有料プランは、法人向けでも1ユーザーあたり月数千円の帯に収まります。人件費と比べれば誤差の範囲です。AIの導入判断で見るべきは料金ではなく、削減できる時間のほうです。
実務では、構成案の作成と初稿の執筆が短縮できます。一方で残るのは次の作業です。
- 数値と出典の裏取り(AIは存在しないURLや古い数字を出します)
- 自社の実務経験に基づく記述の追加
- 他記事との重複チェックと内部リンクの設計
- 公開後の順位観測と改善
裏取りと加筆は、書く工程と同じか、それ以上の時間を使います。AIを入れると1本あたりの時間は縮みますが、ゼロにはなりません。原価計算では「AIで半分になる」といった楽観値を置かず、自社で3本作って実測した時間を使ってください。
投下時間別の月額原価
ここまでの数字をまとめます。ツール費0円・AI利用料を月3,000円と置いた場合の月額原価です。
| SEOへの投下時間 | 月間時間 | 人件費(2,254円換算) | ツール・AI | 月額原価 |
|---|---|---|---|---|
| 週5時間 | 20時間 | 45,080円 | 3,000円 | 48,080円 |
| 週10時間 | 40時間 | 90,160円 | 3,000円 | 93,160円 |
| 週20時間 | 80時間 | 180,320円 | 3,000円 | 183,320円 |
| 専任1名 | 160時間 | 360,640円 | 3,000円 | 363,640円 |
専任を1名置いた場合の原価は月36万円です。この数字は、SEO会社への外注で言えば中堅どころの月額とほぼ同じ水準になります。「内製は安い」という前提が、ここで崩れます。
内製が安く見えるのは、担当者の給与がSEOをやってもやらなくても発生する固定費だからです。会計上は目立ちませんが、その担当者が本来やるはずだった仕事は止まっています。原価はそこで発生しているだけです。
インハウスSEOと外注の損益分岐点はどこか

原価が出たので、外注費と釣り合う点を逆算します。ここが判断の中心です。
損益分岐点の計算式
(外注の月額 - ツール費 - AI利用料)÷ 実効時給 = 必要な月間時間
実効時給が2,254円、ツール費とAI利用料を合わせて月3,000円とすると、外注費ごとの必要時間は次のようになります。
外注費別に必要な投下時間
| 現在の外注費(月額) | 必要な月間時間 | 週あたり | 1人で成立するか |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 43時間 | 約10時間 | 成立する(兼任で可) |
| 20万円 | 87時間 | 約20時間 | 成立する(半分は専任) |
| 30万円 | 132時間 | 約31時間 | ほぼ専任1名が必要 |
| 50万円 | 220時間 | 約51時間 | 1人では成立しない |
表の読み方を説明します。外注を月10万円で使っているなら、週10時間を捻出できれば原価は同じです。兼任の担当者が半日を2回充てれば届く水準なので、内製化の効果は出やすくなります。
一方、外注が月30万円だと必要時間は週31時間です。兼任では届かず、ほぼ専任1名を置く前提になります。ここで「浮いた30万円」と「専任1名の人件費」が正面からぶつかります。
月50万円になると週51時間が必要です。法定労働時間は週40時間なので、1人の内製では原価が釣り合いません。2名体制にするか、外注を続けるかの二択です。
逆算するとこうなります。外注費が高いほど内製の節約額は大きく見えますが、必要な社内リソースも比例して増えます。内製化で得をするのは、外注費が小さく、社内に手が空いている場合です。直感とは逆の結論になります。
原価が逆転する3つの条件
上の表は原価だけを比べたものです。実際には次の3条件で内製が有利に振れます。
本記事の2,254円は全国の一般労働者の平均から出した数字です。自社の給与水準がこれより低ければ、必要時間の水準も下がります。計算式に自社の実額を入れて再計算してください。給与月額25万円なら実効時給は約1,706円になり、外注30万円と釣り合う時間は月174時間へ増えます。
施工の手順、失敗した事例、実際の価格交渉、現場の写真。これらは外注ライターが取材しても薄くなります。社内の人間が書けば1本で競合を抜けることがあり、その場合は本数あたりの効率が外注を上回ります。専門性が高い業種ほど内製の効果は大きくなるはずです。
内製の立ち上げには習熟期間が要ります。最初の半年は外注より生産性が落ちるのが普通です。1年で撤退する可能性があるなら、原価計算をするまでもなく外注が有利です。逆に3年続けるなら、蓄積したノウハウが効いて後半で逆転します。
3条件のうち2つ以上に当てはまるなら、内製を検討する価値があります。1つ以下なら、外注かセミインハウスのほうが現実的です。
インハウスSEOのメリット・デメリットと向き不向き
原価の話をひととおり終えたので、金額に表れない部分を見ます。
メリット:PDCAの速さ・ナレッジ蓄積・事業理解
最大の利点は意思決定と実行の間に承認が挟まらないことです。外注だと、順位が落ちた原因を調べて、報告を受けて、施策を決めて、次回定例で共有して、と進みます。内製なら気づいた日に直せます。
2つ目は知見が社内に残る点です。外注を切ると、外注先が持っていた判断基準も一緒に消えます。内製の場合、担当者が退職しない限り蓄積は残ります。
3つ目は事業理解の深さです。どの問い合わせが受注につながり、どの問い合わせが工数だけ使うかを知っているのは社内の人間だけです。この差はキーワード選定にそのまま出ます。検索数が多くても受注につながらないキーワードを外せるのは、事業を知っている側の強みになります。
デメリット:属人化・キャッチアップ・技術対応
もっとも重いのは属人化です。担当者1人にノウハウが集中し、その人が異動または退職した瞬間に運用が止まります。手順書とキーワード管理表を最初から共有ドライブに置くだけで、かなり防げます。
2つ目は情報のキャッチアップです。検索アルゴリズムは継続的に更新され、大きな変動が起きたときは原因の切り分けが要ります。外注していれば相手が調べますが、内製では自分で追うことになります。
アップデートで順位が落ちたときの診断手順は別記事にまとめました。

3つ目は技術対応です。表示速度の改善、構造化データの実装、インデックス制御のような領域はエンジニアの手が要ります。社内にエンジニアがいない、または依頼しても優先度が上がらない状況だと、この領域は前に進みません。セミインハウスで外部に残すべき部分がここです。
見落とされる「経営者の時間」というコスト
中小企業のインハウスSEOでは、担当者を置かず経営者が自分でやり始めるケースが少なくありません。この場合、原価計算に入れるべきは経営者の時給です。
経営者の時間の価値は、担当者の時給とは桁が違います。営業に1時間使えば商談が1件進み、採用に1時間使えば人が1人増える。その1時間をキーワード調査に充てるなら、比較対象は外注費ではなく、その時間で得られたはずの売上です。
この観点は、上位で読まれているインハウスSEOの解説記事にはほとんど登場しません。書いているのがSEO支援会社かメディア運営会社で、想定読者が事業会社のマーケティング担当だからです。1人あるいは数人の会社では、この項目が判断を左右します。
内製化の可否を判定するチェックリスト
次の8項目のうち、いくつ当てはまるかを数えてください。
- 検索からの流入が事業の受注経路として重要である
- 損益分岐点の表で算出した時間を、実際に社内から出せる
- 社外の人間には書けない知識・事例・データが社内にある
- 成果が出るまで半年から1年待てる(経営層の合意がある)
- Search Consoleとアナリティクスを導入済みで、数字を見る習慣がある
- サイトの改修をエンジニアに依頼できる関係がある
- 担当者が退職しても引き継げる記録の置き場がある
- 2年以上は継続する前提で予算を確保できる
6項目以上なら完全内製に進めます。3〜5項目ならセミインハウスが合います。2項目以下の場合、内製化を始めても半年で止まる可能性が高いので、外注のまま進めるか、体制を整えてから再検討してください。
外注を続ける場合の判断軸はこちらです。

インハウスSEOの始め方と3か月の実行計画
内製に進むと決めた場合の立ち上げ手順です。最初の3か月で何をするかを月ごとに区切ります。
Search Consoleとアナリティクスを導入し、現在どのキーワードで何位に表示されているかを一覧化します。多くの会社は、自社サイトがすでに拾っているクエリを把握していません。ここで「表示回数はあるのにクリックされていないページ」が見つかれば、それが最初の改善対象になります。
この月は新しい記事を書きません。手持ちの資産を数えるのが目的です。あわせて、記事1本にかかる時間を測るために試作を1本だけ作ります。ここで出た実測時間を、原価計算の式に入れてください。
狙うキーワードを決めます。ここで新規記事から入るとほぼ失敗します。先に着手すべきは、すでに10〜30位に付いているページの改善です。ゼロから1位を取るより、20位を8位へ動かすほうが早く、成果が見えると社内の理解も得やすくなります。
キーワードは検索数だけで選ばず、問い合わせにつながるかで並べ替えてください。検索数1,000でも受注に結びつかない語より、検索数100でも見積もり依頼が来る語を優先します。この判断ができるのが内製の強みです。
週次と月次でやることを固定します。週次はSearch Consoleの確認と1本の改善、月次は順位と問い合わせ件数の報告という粒度で始めれば続きます。ここまで来れば、あとは同じ動作の繰り返しです。
この段階で手順書を作ってください。担当者の頭の中にある判断を文章にしておけば、後任への引き継ぎと、施策の再現ができます。属人化への対策はここでしか打てません。
1人でインハウスSEOを回すときの優先順位
担当者が1人、しかも兼任という状況は珍しくありません。この場合、6領域すべてに手を出すと全部が中途半端になります。捨てる領域を先に決めてください。
| 優先度 | 領域 | 1人での扱い |
|---|---|---|
| 高 | 既存ページの改善 | 最初に着手する。成果が早く、判断材料も得られる |
| 高 | 効果測定 | 週1回15分で足りる。ここを止めると全体が止まる |
| 中 | キーワード調査 | 月1回まとめて実施し、残りの月は使い回す |
| 中 | 新規記事の制作 | 本数を追わない。月1〜2本で十分 |
| 低 | 内部対策 | 外部に依頼するか、大きな改修時にまとめて対応 |
| 低 | 被リンク獲得 | 広報・営業と連動できる時だけ。単独では狙わない |
この配分なら週5〜10時間で回せます。損益分岐点の表に照らすと、外注費が月10万円前後の会社なら内製へ切り替える意味があります。
どこまでを社内に持ち、どこから外に出すかの切り分けは別記事で詳しく扱いました。

インハウスSEOでよくある失敗と回避策
内製が止まるときのパターンは限られています。3つ挙げます。
失敗1:効果判定を早まる
最も多い失敗です。1か月やって順位が動かず、「SEOは効かない」と結論を出して止めてしまう例が目立ちます。
Googleは公式のSEOスターターガイドで、変更が検索結果に反映されるまでの時間をこう説明しました。
数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。一般的には、数週間待ってから Google 検索の検索結果に良い影響があったかどうか確認することをおすすめします
回避策は、始める前に評価タイミングを決めておくことです。3か月目に中間確認、6か月目に継続判断、と先に合意しておけば、途中の変動で議論が起きません。あわせて、順位より先に動く指標(表示回数・インデックス済みページ数)を月次で見ると、成果の兆しを早く掴めます。
出典はGoogle「SEO スターター ガイド」です。
失敗2:ツールを増やしすぎて固定費が膨らむ
内製化の初期に、順位計測ツール、キーワードツール、競合分析ツール、AIライティングツールを同時に契約してしまう例があります。結果として毎月の固定費が増え、外注していたときとの差額が縮みます。
回避策は順番です。まず無料の3点で3か月運用し、「このデータがないと判断できない」という場面に実際にぶつかってから有料ツールを検討します。使わない機能へ払い続ける事態を防げるはずです。
失敗3:技術対応で止まりコンテンツが動かない
SEOを学び始めると、表示速度、構造化データ、クロール最適化といった技術領域に目が向きます。ところがこれらはエンジニアの工数が要るため、依頼して待つ時間が発生します。その間、記事の改善は止まったままです。
回避策は、技術領域を別レーンに置くことです。エンジニアへの依頼はまとめて出し、返答を待つ間はコンテンツ側を進めます。兼任の担当者が技術対応を自分で抱えると、内製全体が止まります。
記事制作を一部だけ外に出す場合の単価の見方はこちらにまとめました。

オークスは自社でメディアを運営しており、記事1,000本超・最大で月間60万PV規模まで育てた運用を少人数の体制で続けてきました。内製の立ち上げ支援も、外注の受託も両方扱っているため、どちらが自社に合うかの相談から対応できます。
インハウスSEOに関するよくある質問
- SEO未経験の担当者でもインハウスSEOはできますか?
-
既存ページの改善から入れば可能です。Search Consoleで表示回数の多いページを開き、検索されている語句が本文に書かれているかを確認する。この作業は専門知識がなくても始められます。逆に、ゼロから戦略を設計する工程は未経験では難しいため、そこだけ外部に頼るセミインハウスが現実的です。
- 成果が出るまでどのくらいかかりますか?
-
Googleは変更の反映に数時間から数か月かかると案内しており、確認は数週間待ってからを推奨しています。既存ページの改善なら1〜3か月で順位の変化が見え、新規記事で流入を作る場合は6か月前後を見ておくと計画が崩れません。1か月で判断しないでください。
- 1人でもインハウスSEOは回せますか?
-
回せます。ただし6領域すべては扱えません。既存ページの改善と効果測定を高優先に置き、内部対策と被リンク獲得は捨てるか外部に出してください。この配分なら週5〜10時間で成立します。本数を追い始めた時点で破綻します。
- 内製に切り替える判断基準を1つ挙げるとしたら何ですか?
-
現在の外注費を実効時給で割った時間を、社内から本当に出せるかどうかです。外注が月30万円なら月132時間、週にすると約31時間が必要になります。この時間を確保できないまま切り替えると、外注費が消えた代わりに施策の実行量も落ちます。
- 内製と外注を併用しても問題ありませんか?
-
問題ありません。むしろ中小企業ではセミインハウスが最も現実的です。社内にしかない知識が必要な記事は自社で書き、戦略設計と技術対応は外部に残す。この分け方なら、担当者の負荷を抑えたまま内製の利点だけを取り込めます。
- AIを使えば内製の原価は下がりますか?
-
1本あたりの制作時間は下がりますが、ゼロにはなりません。数値と出典の裏取り、自社の経験に基づく加筆、公開後の観測は人の作業として残ります。AIの利用料は人件費に比べれば小さいため、判断すべきは料金ではなく削減できた時間です。実際に3本作って測ってください。
インハウスSEOを始める前に押さえる要点
インハウスSEOの判断は、やる気ではなく時間の見積もりで決まります。
- インハウスSEOは完全内製と完全外注の二択ではありません。セミインハウスが中小企業には最も現実的です
- 厚生労働省の所定内給与額330,400円から算出した実効時給は2,254円。専任1名の月額原価は約36万円です
- 外注30万円と釣り合うのは月132時間、外注50万円は週51時間が必要で1人では成立しません
- 内製で得をするのは外注費が小さく社内に手が空いている場合。外注費が高いほど必要な社内リソースも増えます
- ツールはSearch Console・アナリティクス・Looker Studioの無料3点から。有料は必要にぶつかってから検討します
- 1人で回すなら既存ページの改善と効果測定に絞り、内部対策と被リンクは捨てるか外部へ出してください
- 評価タイミングを始める前に決めます。3か月目に中間確認、6か月目に継続判断という置き方が扱いやすい形です
本記事の原価試算は、厚生労働省の賃金統計と日本年金機構が公表する保険料率をもとにした計算です。健康保険・雇用保険・労災保険の事業主負担、賞与、採用費、設備費は含んでいません。自社の給与水準を計算式に入れ直せば、より実態に近い数字が出ます。







