
BtoB SEOって普通のSEOと何が違うんですか。うちも記事は書いていますが、問い合わせにつながっている実感がありません。

違いは検討期間の長さと関与者の数です。このブログ自体、直近90日で38,707件表示され、そのうち71.3%が「オークス」という社名そのものの検索でした。BtoB SEOの成果は、個別記事のクリックより先に指名検索という形で現れます。
BtoB企業のSEO対策を解説する記事の多くは、「検討期間が長い」「関与者が多い」という特徴と、他社の支援事例を紹介して終わります。ただしその支援事例は「成果を実現しました」という表現に留まり、具体的な数字までは開示されていません。
この記事では、オークスが2026年7月から本格運用しているこのブログ(B2Bリード獲得用の40記事クラスタ)の直近90日の実測データを一次情報として使い、BtoB SEOで実際に何が起きるのかを数字で示します。
- BtoB SEOとは、検討期間が長く関与者が多いBtoB特有の購買プロセスに合わせて、認知から比較検討までの各段階に情報を届けるSEO施策です
- オークスの自社ブログでは、直近90日の表示38,707件のうち71.3%が「オークス」という社名の指名検索でした。BtoB SEOで語られる「第一想起」は、実測でも指名検索という形で確認できます
- 残り28.7%は個別記事のテーマ名(YouTube SEO・MEOコンサルティング等)による検索で、指名ではなく個別テーマへのロングテール流入でした
- キーワード設計は「とは」で認知層、「費用・相場」で比較検討層、「やり方・対策」で実装層に対応させます
- 進め方は5ステップ。テクニカルSEO・コンテンツSEO・外部対策という基本施策の上に、BtoB特有のリード獲得導線を重ねます
- 内製か外注かで迷ったら、投下できる時間から逆算してください。判断基準は記事19(インハウスSEO)の実効時給計算で代用できます

株式会社オークスでは実際のWebコンサルタントである、柏倉元太(@genta_oaks)が記事を監修。
月間数十万PVのメディアを複数運営しながら、現在はSEOからSNS、YouTubeまで様々な分野のマーケティング企業を運営。
BtoB SEOとは?BtoCとの違い

BtoB SEOとは、法人の購買担当者が検索エンジン経由で情報収集する行動に合わせて、検索結果での露出を高めるSEO施策です。BtoC向けのSEOと施策の土台は同じですが、狙う成果とキーワードの性質が異なります。
| 項目 | BtoB SEO | BtoC SEO |
|---|---|---|
| 主な目的 | リード獲得(問い合わせ・資料請求) | 商品購入の促進 |
| 関与者数 | 複数(担当者・決裁者など) | 単独が中心 |
| 検討期間 | 数週間〜年単位 | 即日〜数週間 |
| 検索ボリューム | 専門用語は少量が多い | 比較的多い |
| KWの特徴 | 課題解決・比較検討・導入事例 | レビュー・おすすめ・価格 |
検索ボリュームの少なさを理由にBtoB SEOを見送らない
BtoB領域、特に専門性の高いニッチな分野では、「関連キーワードの月間検索ボリュームが数十件しかなく、SEOに取り組む意義が感じられない」という声を聞くことがあります。しかしBtoB SEOにおいて、検索ボリュームの多さは絶対的な指標ではありません。
月間に数十回しか検索されないキーワードであっても、それを検索しているのが今まさに課題を抱えている決裁者本人であれば、1件の問い合わせが数百万円の商談に直結します。BtoB SEOの本質は、トラフィックの最大化ではなく、確度の高いターゲットとの接点創出です。ボリュームの大小だけでキーワードを切り捨てると、最も価値の高い層を取りこぼします。
「検討期間が長い」「関与者が多い」は個別記事では測れない
ここで注意したいのは、「検討期間が長い」「関与者が多い」という特徴を、個別記事だけで実測するのは難しいという点です。1本の記事のクリック数を追っても、その裏で何人の担当者が閲覧し、何週間かけて社内稟議が通ったかは分かりません。次の章では、記事単体ではなくサイト全体の実測データから、この特徴がどう現れるかを確認します。
BtoB SEOは「資産」になるのか?自社の指名検索実測で検証

SEO会社の解説記事では、SEOを「資産性の高い施策」「業界内での第一想起を獲得できる施策」と説明するものが目立ちます。理屈としては理解できても、実際にどの程度の指名検索が生まれるのかを数字で示した記事は見当たりませんでした。そこで、このブログ自体の実測データを開示します。
| 検索の種類 | 表示回数(90日) | 比率 | クエリ例 |
|---|---|---|---|
| 指名検索 | 27,589件 | 71.3% | オークス/株式会社オークス |
| 個別テーマ検索 | 7,472件 | 19.3% | YouTube SEO/MEOコンサルティング |
| 比較検討クエリ | 2,756件 | 7.1% | MEO対策 費用/MEO対策 相場 |
| 実装・対策クエリ | 841件 | 2.2% | SEO対策 YouTube/MEO対策 コンサル 会社 |
この数字はKW「BtoB SEO」単体の実測ではなく、40記事クラスタ全体の集計です。その前提を踏まえたうえで読み取れるのは、表示の7割が個別記事の内容ではなく社名そのものへの検索だったという事実です。SEO会社の記事で語られる「第一想起」は、抽象的な概念ではなく、指名検索という具体的な数字で確認できます。
残り28.7%のうち大半を占めたのは、YouTube SEOやMEOコンサルティングといった個別記事のテーマ名でした。これはブランド名を知らない読者が、課題解決のキーワードから個別記事にたどり着いた流入です。指名検索と個別テーマ検索の両方が積み上がることで、サイト全体の露出が増えていく構造が確認できます。
BtoB SEOでよくある失敗パターン

指名検索という資産が積み上がる一方で、BtoB SEOには特有の失敗パターンが存在します。着手前に押さえておくことが、遠回りを避ける近道です。
失敗1: BtoC的な検索ボリューム基準でキーワードを選ぶ
検索ボリュームの大きいキーワードばかりを追うと、専門性の低い一般的な記事ばかりが並びます。BtoBの購買担当者が求めているのは、自社の課題に近い具体的な情報です。ボリュームが小さくても検索意図が明確なキーワードを優先してください。
失敗2: 記事を書いて終わり、リード獲得の導線を後付けにする
記事を書き終えてから「どこに問い合わせボタンを置くか」を考え始めると、導線が不自然になりがちです。ホワイトペーパーのダウンロードや無料相談への導線は、構成案の段階で各記事のどこに置くかを決めておく必要があります。
失敗3: 短期間で成果を求めすぎて撤退してしまう
BtoBは検討期間が長いため、公開から数か月は問い合わせという最終指標にほとんど変化が出ません。この期間に「効果が出ていない」と判断して撤退すると、指名検索が育つ前にやめてしまうことになります。撤退ラインの考え方は記事20にまとめています。

BtoB SEOの進め方(5ステップ)

BtoB SEOの土台は、テクニカルSEO・コンテンツSEO・外部対策という基本施策と変わりません。その上に、BtoB特有のリード獲得導線を重ねる順番で進めます。
ステップ1:キーワードを3層に分けて設計する
「とは」で検索する認知層、「費用・相場・選び方」で検索する比較検討層、「やり方・対策」で検索する実装層に分けてキーワードを洗い出します。詳しいやり方は次章で解説する内容です。
ステップ2:サイト構造で役割を分担する
トップページ・サービスページは、すでに自社や類似サービスを探している顕在層向けに、機能や導入事例を伝えて直接の問い合わせを狙います。オウンドメディア(ブログ)は、課題を探している準顕在層・潜在層向けに、専門的な情報を発信して指名検索や再訪問につなげます。
ステップ3:テクニカルSEOで基盤を整える
良質なコンテンツを作っても、検索エンジンに正しく認識されなければ評価されません。表示速度・モバイル対応・内部リンク設計といった技術面の基盤整備が前提になります。優先順位のつけ方は、別記事「テクニカルSEO」で扱う予定。
ステップ4:E-E-A-Tを踏まえてコンテンツを作る
BtoBの購買決定に関わる情報には、Googleが定める品質評価基準「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」への配慮がより強く求められます。一次データや実務者としての知見を含めることが、この基準を満たす近道です。
ステップ5:効果測定とリライトを回す
公開して終わりにせず、検索順位とクリックの推移を定点観測します。効果測定のやり方は記事22、リライトの実測データは記事21で紹介済みです。

キーワード設計 — 検索意図の3層構造

BtoBのキーワードは、検索する担当者がどの検討段階にいるかによって語尾が変わります。オークスの40記事クラスタも、この3層構造に沿った記事の割り振りです。
- 認知層:「インハウスSEOとは」「AIO対策とは」など、言葉の定義を知りたい段階
- 比較検討層:「SEOコンサル費用」「SEO会社の選び方」など、発注先や予算を比較する段階
- 実装層:「SEOキーワード選定」「SEOライティング コツ」など、自社で手を動かす段階
この3層は、検索する担当者の社内での役割とも対応します。認知層は情報収集を任された若手担当者、比較検討層は予算を握る決裁者、実装層は既に発注済みで実務を進める現場担当者、というように読み手が入れ替わる構造です。同じ「SEO」というテーマでも、読み手が違えば刺さる情報も変わるため、記事ごとに読者像を1つに絞り込む必要があります。
1本の記事で3層すべてを狙うと、どの読者にも刺さらない記事になります。オークスでは記事ごとに層を固定し、記事末で隣接する層の記事へ内部リンクする設計です。キーワード選定の具体的な手順は記事27で解説しています。

BtoB SEOとLLMO対策の関係

生成AIの回答に自社が引用されるための対策(LLMO)が注目されていますが、BtoB SEOとの関係で押さえておくべき点は1つです。LLMOで重視される「引用されやすさ」も、土台にあるのは指名されるだけの専門性と実績です。前章で示した指名検索の実測は、AI検索時代でも土台が変わらないことの裏付けになります。
BtoBの購買担当者が、ChatGPTやGeminiに「〇〇の課題を解決するツールを教えて」といった質問を投げる場面は、今後も増えていく見込みです。この質問に対するAIの回答に自社が挙がるかどうかは、結局のところ「その分野で継続的に専門的な情報を発信しているか」という、従来のSEOと同じ土台で決まります。AI検索対策だけを別枠で考えるのではなく、BtoB SEOの延長線上にあるものとして位置づけてください。
LLMO対策そのものの費用相場や会社選びの基準は、記事11で詳しく解説しました。

内製と外注、どちらで進めるか

BtoB SEOは検討期間が長いぶん、内製と外注のどちらで進めるかによって、社内の負荷が大きく変わります。判断基準は「やる気」ではなく「投下できる時間」です。
内製の場合、厚生労働省の賃金統計から算出した実効時給をもとに、月あたりの原価と投下可能時間を計算できます。すでに記事19で計算式を公開しているため、自社の給与水準に置き換えて再計算してください。

外注する場合の費用相場とタイプ別の違いは記事1、SEO会社の選び方は記事3にまとめています。BtoB向けの専門知見を持つ会社ほど、指名検索の立ち上がりが早くなる傾向です。
BtoB特化の専門性をどう見極めるか
SEO会社を選ぶ際は、BtoC向けの実績しかない会社とBtoB向けの実績がある会社を区別してください。見極める観点は3つです。過去の支援実績にBtoB企業(製造業・SaaS・専門サービス業等)が含まれるか。提案内容がPV数ではなくリード獲得数・商談化率で語られているか。キーワード提案に「とは」「費用」「選び方」といった検討フェーズ別の構造があるか。この3点が揃っていれば、BtoC向けの実績しかない会社より立ち上がりが早くなる傾向にあります。

BtoB SEOに関するよくある質問
- BtoB SEOはBtoCのSEOと同じやり方でいいですか?
-
施策の土台(テクニカルSEO・コンテンツSEO・外部対策)は共通ですが、狙う成果が異なります。BtoCは購入促進、BtoBはリード獲得が主目的です。キーワードも「レビュー・価格」ではなく「費用相場・選び方・導入事例」が中心になるため、記事の構成をそのまま流用すると成果につながりにくくなります。
- 成果が出るまでどのくらいかかりますか?
-
Googleは変更の反映に数時間から数か月かかると案内しており、確認は数週間待ってからを推奨しています。BtoBは検討期間の長さが加わるため、記事公開から指名検索が増えるまでは半年前後を見込んでおくと計画が崩れません。
- 指名検索が増えたことは、どうやって確認すればいいですか?
-
Google Search Consoleの検索パフォーマンスで、自社名を含むクエリの表示回数を期間比較してください。オークスの場合、このブログの表示回数のうち7割超を指名検索が占めています。個別記事のクリック数だけでなく、この比率の推移も合わせて追うことをおすすめします。
- 小さい会社でもBtoB SEOは有効ですか?
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有効です。むしろ広告費を大きく割けない会社ほど、資産として積み上がるSEOの効果が相対的に大きくなります。ただし検討期間が長いぶん成果が出るまでの期間も長いため、短期の受注目標と並走させる設計が必要です。
- 検索ボリュームがゼロと表示されるキーワードは無視していいですか?
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無視しないでください。SEOツール上でボリューム0と表示されても、実際には熱量の高い検索が発生している場合があります。過去の商談で聞かれた質問、カスタマーサポートに寄せられる問い合わせの文言など、自社の一次情報から拾ったキーワードのほうが、ツール頼みのキーワードより成約に近い傾向です。
BtoB SEOを始める前に押さえる要点
BtoB SEOの効果は、個別記事のクリックより先に指名検索という形で現れます。
- オークスの自社ブログでは、直近90日の表示38,707件のうち71.3%が指名検索でした。BtoB SEOの「第一想起」は実測でも確認できます
- この数字は40記事クラスタ全体の集計であり、KW単体の実測ではありません。自社で測る際は同じ前提で比較してください
- キーワードは認知(とは)・比較検討(費用・選び方)・実装(やり方・対策)の3層に分けて設計します
- 進め方は5ステップ。テクニカルSEOという基盤整備を飛ばすと、良いコンテンツを作っても評価されません
- 内製と外注の判断は「やる気」ではなく「投下できる時間」で決めてください。目安は記事19の実効時給計算で代用できます
- BtoBは検討期間が長いため、成果判定は半年単位で見てください。1か月での判断は早すぎます
本記事の実測データは、オークスが運営するこのブログ(40記事クラスタ)の直近90日分です。業種やコンテンツの性質によって指名検索の比率は変わるため、自社サイトのSearch Consoleで同じ集計をとり、比較の基準として活用してください。







