
採用サイトを作りたいのですが、普通のホームページより高いという話を聞きます。何が違うのでしょうか。

実発注データでは中央値が101.1万円と、通常のホームページ制作の約2倍です。何にその差が出ているのか、順番に見ていきましょう。
採用サイト制作の費用相場を調べると、各社の公表料金を並べた一覧記事が多く見つかります。参考にはなりますが、なぜ通常のホームページより高くなるのか、構造的な理由まで書いた記事は多くありません。
この記事では、公開されている実発注データをもとに、価格差が生まれる理由を分解し、自社制作した場合の実質コストまで紹介します。
- 採用サイト制作の実発注データでは平均104.4万円・中央値101.1万円です
- 通常のホームページ制作(中央値50万円)と比べて約2倍の水準です
- 価格差の主因は社員インタビュー等の取材・撮影費と、複数職種の応募導線設計です
- 発注額は101〜150万円が36%と最多層です
- シンプルな構成に絞れば30〜50万円台でも制作可能です

株式会社オークスでは実際のWebコンサルタントである、柏倉元太(@genta_oaks)が記事を監修。
月間数十万PVのメディアを複数運営しながら、現在はSEOからSNS、YouTubeまで様々な分野のマーケティング企業を運営。
採用サイト制作の費用相場

実発注データを公開している調査によると、採用サイト制作の費用は次のとおりです。
| 発注金額帯 | 構成比 |
|---|---|
| 50万円以下 | 23% |
| 51〜100万円 | 27% |
| 101〜150万円 | 36% |
| 151〜200万円 | 5% |
| 201万円以上 | 9% |
101〜150万円の層が最も多く、全体の36%を占める構成です。50万円以下で収まっているのは23%にとどまり、多くの企業がシンプルな構成以上のサイトを発注している実態がうかがえます。
通常のホームページ制作との価格差
同じ「企業のWebサイト制作」でも、採用サイトと通常のホームページでは価格帯が大きく異なります。
| サイト種別 | 中央値 | 平均値 |
|---|---|---|
| 通常のホームページ | 50万円 | 95.6万円 |
| 採用サイト | 101.1万円 | 104.4万円 |
中央値で見ると、採用サイトは通常のホームページのおよそ2倍です。平均値の差が小さいのに対して中央値の差が大きいのは、通常のホームページには低価格帯の発注が多く含まれる一方、採用サイトは低価格帯の発注が相対的に少ないという構造によります。通常のホームページ制作の費用相場は、別記事で実発注データをもとに解説済みです。

価格帯別に見る制作範囲
金額が上がるほど、対応できるページ数と作り込みの水準が変わります。
| 価格帯 | ページ数目安 | 制作範囲 |
|---|---|---|
| 10万円以下 | 〜10ページ | テンプレート中心、制作期間1週間〜1ヶ月 |
| 10〜50万円 | 約10ページ | 一部カスタムデザイン、制作期間2週間〜1.5ヶ月 |
| 50〜100万円 | 15〜20ページ | オリジナルデザイン、制作期間1〜2ヶ月 |
| 100万円以上 | 20ページ以上 | フルオリジナル、取材・撮影込み、制作期間2〜3ヶ月以上 |
101〜150万円の層が最多という実発注データと照らし合わせると、多くの企業が「20ページ以上・フルオリジナル・取材撮影込み」の水準を選んでいることが分かります。シンプルな構成で予算を抑えたい場合は、10〜50万円のテンプレート活用型でも最低限のサイトを制作可能です。
採用サイトならではの費用要因
通常のホームページと比べて価格が上がる理由は、採用サイト特有の2つの要素にあります。
社員インタビュー・撮影費用
採用サイトの説得力は、社員インタビューや職場写真といった一次コンテンツに大きく左右されます。取材・撮影・原稿作成を含めると、1ページあたりの制作コストが通常の会社紹介ページより高くなるのが実情です。既存の社員インタビュー記事や写真素材が社内にある場合は、この費用を抑えやすいのがポイントです。
複数職種のエントリーフォーム分岐
募集職種が複数ある場合、応募フォームを職種ごとに分岐させる設計が必要になります。単一の問い合わせフォームで済む通常のホームページと違い、職種別の入力項目・確認画面・自動返信メールまで設計する分だけ工数が増えるという違いです。募集職種が1つに絞られている場合は、この分岐設計を省略でき、費用を抑えられます。
採用サイトに必要なコンテンツ要素

ページ数の目安を確認する前に、何を掲載すべきかを整理しておきましょう。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| トップメッセージ | 代表者・事業責任者から、求職者への訴求を伝える |
| 事業紹介 | 会社が何をしているかを、求職者目線で分かりやすく伝える |
| 社員インタビュー | 働くイメージを具体的に持たせる |
| 募集要項 | 職種別の仕事内容・条件を明示する |
| 福利厚生・制度 | 働きやすさを裏付ける情報を示す |
| エントリーフォーム | 応募への導線を用意する |
すべての要素を最初から揃える必要はありません。予算が限られる場合は、トップメッセージ・事業紹介・募集要項・エントリーフォームの4要素に絞り、社員インタビューと福利厚生ページは後から追加するという段階的な進め方も選択肢です。
自社制作した場合の実質コストを試算する
外注せず、既存のホームページ制作ツールを使って自社で作る場合の実質コストを試算してみましょう。
| 工程 | 想定工数(10ページ想定) |
|---|---|
| 企画・要件定義 | 5時間 |
| 社員インタビュー実施・原稿化 | 8時間(3名分) |
| 撮影・写真選定 | 6時間 |
| デザイン・構築 | 15時間 |
| 応募フォーム設定・確認 | 4時間 |
担当者の時給を2,500円と仮定すると、合計38時間×2,500円=工数コストは95,000円前後です。実発注データの中央値101.1万円と比べると、自社にデザインスキルと取材経験のある担当者がいれば、内製のほうが大幅に安く済む可能性があります。ただし職種ごとのフォーム分岐や、応募者管理システムとの連携まで求める場合、既存ツールでは対応できないことがある点には注意してください。
ATS(応募者管理システム)連携を含める場合の追加費用
採用サイトのエントリーフォームを、外部のATS(応募者管理システム)と連携させる企業も増えています。この連携の有無で、見積もりの範囲が変わります。
単純なメール通知型とAPI連携型で工数が異なる
応募内容を採用担当者へメールで通知するだけの構成であれば、追加費用はほとんど発生しません。一方、応募データをATSへ自動で取り込むAPI連携を組む場合、システム間の仕様をすり合わせる設計・実装工数が別途必要になります。すでに社内でATSを導入済みの企業は、制作会社にAPI連携の実績があるかを事前に確認してください。
ATS未導入なら採用サイト単体でも運用できる
応募者数がまだ少ない段階では、ATSを導入せずメール通知だけで運用しても支障はありません。応募者数が増えてきてから、採用サイトのフォームとATSを連携する改修を後から発注するという段階的な進め方も現実的です。最初からAPI連携を前提に予算を組む必要はありません。
制作会社を選ぶときの確認ポイント
見積もりの金額だけで比較すると、含まれる作業範囲の違いを見落としがちです。
- 社員インタビュー・撮影が見積もりに含まれるか、別料金か
- 複数職種のフォーム分岐に対応しているか
- 公開後にページを追加・更新する際の費用体系
- 採用サイト制作の実績が自社と近い業種・規模にあるか
特に1点目は見積書だけでは判断しにくく、商談の場で「取材・撮影は何名分まで含まれるか」を具体的に確認することをおすすめします。募集職種が増えた場合の追加費用も、契約前に確認しておくと後から想定外の出費を避けられます。
外注と内製、どちらを選ぶか
採用状況と社内のリソースに応じた判断基準は次のとおりです。
| 状況 | 推奨する体制 |
|---|---|
| 募集職種1つ・単発の採用活動 | 内製(既存ツール活用で工数コストのみ) |
| 複数職種・継続的な採用活動 | 制作会社への外注(フォーム分岐・更新体制まで含めて依頼) |
| 社員インタビューや取材の経験がない | コンテンツ制作のみ部分的に外注する折衷案 |
継続的に採用活動を行う企業ほど、複数職種への対応や更新のしやすさが重要になるため、外注のメリットが相対的に大きくなります。単発の採用活動で終わる見込みが強い場合は、既存ツールを使った内製でも十分に対応できます。
採用サイト制作でよくある失敗パターン
費用相場を理解していても、進め方を誤ると効果につながりません。
求人票の内容をそのまま転載する
求人媒体に掲載している募集要項をそのまま転載しただけでは、採用サイトを別途作る意味が薄れます。求人媒体では書ききれない社風・働く環境・社員の声を中心に据えることが、役割分担の基本です。
公開後にアクセス解析を見ない
制作費をかけて公開した後、どのページがよく見られているか、エントリーフォームでの離脱が多くないかを確認しないまま放置するケースも見られます。公開後数ヶ月はアクセス解析を確認し、離脱の多いページの改善を検討することで、制作費に対する効果を高められます。
採用サイト制作の費用に関するよくある質問
- 採用サイトの費用相場はいくらですか?
-
実発注データでは平均104.4万円、中央値101.1万円です。発注額の分布では101〜150万円の層が36%と最も多く、次いで51〜100万円が27%となっています。シンプルな構成に絞れば30〜50万円台でも制作可能です。
- なぜ通常のホームページより採用サイトのほうが高いのですか?
-
社員インタビューや職場写真といった一次コンテンツの取材・撮影費用と、複数職種に対応する応募フォームの分岐設計が主な要因です。通常の会社紹介ページと違い、コンテンツ制作と機能面の両方で工数が増えます。
- 自社で作ることはできますか?
-
既存のホームページ制作ツールを使えば、工数コストは10万円前後に収まる試算です。ただしデザインや取材の経験がない場合、想定より工数が膨らみやすい点と、職種別フォーム分岐や応募者管理システム連携には対応できないツールがある点に注意してください。
- 募集職種が1つしかない場合も費用は同じですか?
-
募集職種が1つに絞られている場合、複数職種向けのフォーム分岐設計が不要になるため、費用を抑えやすくなります。社員インタビューの人数を絞ることも、取材・撮影費用の削減につながる方法です。
- 公開後の運用費用はどれくらいかかりますか?
-
サーバー・ドメインの維持費に加えて、募集要項の更新や新しい社員インタビューの追加を制作会社に依頼する場合は都度費用が発生します。自社で更新できるCMS構築を含めるかどうかが、公開後の運用コストを左右するポイントです。
- 採用サイトに最低限必要なコンテンツは何ですか?
-
トップメッセージ・事業紹介・募集要項・エントリーフォームの4要素があれば最低限の機能は満たせます。社員インタビューや福利厚生ページは、予算が確保できてから追加する段階的な進め方でも問題ありません。
- ATS(応募者管理システム)との連携は必須ですか?
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応募者数が少ない段階では、メール通知だけの構成でも運用に支障はありません。応募数が増えてきてから、フォームとATSを連携する改修を後から発注する進め方でも遅くありません。API連携を組む場合は、システム間の仕様調整で追加の設計・実装工数が発生します。
- 30万円台の採用サイトと100万円以上のサイト、何が違いますか?
-
ページ数だけでなく、社員インタビューの取材・撮影の有無、デザインがテンプレートかフルオリジナルか、募集職種ごとのフォーム分岐対応の有無が主な違いです。30万円台はテンプレート中心・10ページ程度、100万円以上は20ページ以上のフルオリジナル構成が目安です。
採用サイト制作の費用で押さえる要点
金額の大小だけでなく、なぜ通常のホームページより高くなるのかという構造を理解したうえで予算を検討してください。
- 採用サイト制作の実発注データでは平均104.4万円・中央値101.1万円です
- 通常のホームページ制作(中央値50万円)と比べて約2倍の水準です
- 価格差の主因は社員インタビュー等の取材・撮影費と、複数職種の応募導線設計です
- 発注額は101〜150万円が36%と最多層です
- シンプルな構成に絞れば30〜50万円台でも制作可能です
上位記事の大半は各社の公表料金を並べるにとどまり、実発注データを開示している記事は多くありません。金額の相場だけでなく、なぜその金額になるのかという構造まで理解しておくと、見積もり比較の際に判断しやすくなります。







