
毎月広告費を払っていますが、改善案が出てきません。代理店を変更するとき、何から進めればよいですか?

まず不調の原因と改善体制を分けて判断します。変更するなら、契約の通知期限、広告アカウント、請求、計測を整理してから切り替えましょう。
広告代理店を変更するには、不調の原因と改善体制を見極め、契約・アカウント・請求・計測の引き継ぎを整えることが先です。Google広告では既存アカウントを残して管理元を変えられますが、共有の計測や支払い設定は別に確認します。
月次レポートのCPAが上がったまま、次の施策が見えない。変更したい一方で、広告が止まったり、過去のデータを失ったりするのも困る。そんな事業責任者に向けて、変更の判断、引き継ぎの担当と完了条件、変更後の評価を整理します。
- CPAの悪化だけで判断せず、原因・改善案・実行体制で変更と継続を分ける
- 解約通知の期限を先に押さえ、広告・請求・計測を別々に引き継ぐ
- 担当者・受け取る資料・完了条件を一覧にし、確認後に旧権限を整理する
- 月額手数料だけで比べず、一時費用と受注まで含めて評価する
広告代理店を変更するかは原因と改善体制で判断する

変更を検討する基準は、改善するための仮説と実行体制を用意できるかです。成果が悪いという結果だけでは、代理店の問題か、商品・LP・営業対応の問題かを切り分けられません。まず現状の数字と、これまでに変えた内容を同じ期間で並べます。
変更を検討するのは改善の仮説や必要な体制がないとき
レポートの数値は届くのに、悪化した理由、実施する施策、検証する指標が説明されない。こうした状態が、具体的な改善依頼を出した後も続くなら、運用会社を見直す材料です。
例えば、検索広告から対象外の問い合わせが増えたなら、検索語句や配信対象、成果に数える行動を調べる余地があります。次の提案が予算増額だけなら、対象外の流入をどう減らすか、その変更を誰が担当するかまで話を戻しましょう。
担当者の交代そのものより、交代後に仮説や検証結果が受け継がれているかが判断点です。動画制作が必要なのに制作担当がいないなど、課題と契約中の体制が合わない場合も変更を検討します。
LPや商品、営業対応が原因なら変更だけでは解決しない
広告のクリック単価や問い合わせ単価を細かく見ても、商品の価格や問い合わせ後の対応は分かりません。広告の配信・LP・計測・営業のどこに課題があるかを先に分けます。
| 現在の状態 | 最初に確かめること | 判断する方向 |
|---|---|---|
| 成果が悪化し、改善案も出ない | 原因の説明、施策の記録、担当と期限 | 具体的に依頼しても進まなければ変更を検討 |
| 広告内容とLPの訴求が違う | 広告・LPの修正担当と契約範囲 | LPも含めた改善体制を整える |
| 問い合わせは増えたが受注が減った | 対象外の流入、商談化率、営業対応 | 流入の質と営業工程を切り分ける |
| 計測方法や成果の定義を変更した | 変更前後で同じ行動を数えているか | 数字をそろえてから比較する |
| 原因と次の施策が明確になっている | 期限内の実施と検証結果 | 改善を続けて結果を評価する |
現代理店で改善を続ける場合は、何を変えるか、誰が担当するか、どの指標で見るか、いつ報告するかを合意します。期限は検証に必要なデータ量と商材の検討期間で決める条件。単月の数字や固定の月数だけで結論を出さないことが大切です。
Facebook広告で成果が出ない原因の切り分けは、以下の記事で詳しく整理しています。

広告代理店の変更前に契約と引き継ぎ条件を整理する
最初に確認するのは、解約を通知する期限・方法と、契約が終了する日です。後任が決まるまで待って通知期限を過ぎると、予定した日に切り替えられません。引き継ぎの準備と通知の手続きを並行して管理します。
終了日と作業の最終日を分けて決める
契約終了日、旧代理店の最終運用日、新代理店の運用開始日を分けて記載します。契約の終了日に初めて資料を受け取る段取りでは、後任の確認が間に合わないためです。
- 解約予告の期限、通知先、書面・メールなどの通知方法
- 最低契約期間、自動更新、残る手数料や精算の扱い
- 広告アカウント、データ、制作物の引き継ぎ範囲
- 旧代理店の最終作業日と、新代理店の確認・運用開始日
複数の媒体を委託している場合は、媒体ごとに切り替え日を整理しましょう。支払い担当の変更や計測の確認にかかる作業が違うため、一つの終了日だけでは進捗を管理できません。
制作物は使用範囲と編集元の両方を整理する
広告画像や動画、LPを継続して使うなら、再利用できる範囲と、受け取れるファイルを分けるのが実務上のポイントです。完成した画像を受け取れても、文字を修正するための編集元まで含まれるとは限りません。
契約書と見積書の納品範囲を照合し、後任が使う素材、編集元、フォントや写真の利用条件を一覧にします。受領できない素材があれば、新規制作の費用と日程に組み込みましょう。
過去のレポートも、PDFだけでなく媒体・キャンペーン別の集計条件を受け継ぐと役立ちます。採用した広告文、見送った訴求、検証した期間と結果は、後任が同じ試行を繰り返すのを防ぐ資料です。
広告アカウント・請求・計測は別々に引き継ぐ

引き継ぎでは、誰が操作できるか、誰が支払うか、どの設定で成果を測るかを別々に点検します。ログインできるだけでは、支払いと計測が切り替え後も継続するかは判断できません。
Google広告は作成者の名義だけで引き継ぎ可否を決めない
Google広告のMCCは、代理店が複数の広告アカウントを管理するためのアカウントです。クライアントアカウント自身のデータと、MCCの管理者・オーナー権限は区別します。
既存の広告アカウントを残してMCCとのリンクを解除しても、そのアカウント自身のキャンペーン履歴は失われません。代理店が作成したから必ず作り直す、とは限らないということです。自社の管理者、新旧MCCの関係、継続利用の合意を具体的に確認します。
新規アカウントを提案された場合は、既存を続けられない理由を聞きましょう。判断材料は、既存を続ける案と作り直す案での履歴・設定・共有資産・追加作業の差です。Google広告の権限構造はクライアントアカウントのオーナー権限についてで確認できます。
共有の計測設定と請求元を確認してからリンクを解除する
MCCが提供する共有リマーケティングリストは、リンク解除後に使えなくなるものがあります。また、MCCのクロスアカウント計測を使っている場合、解除後のクリックによる成果をそのタグで測れなくなるため、計測の切り替えが必要です。
旧MCCが毎月の請求書発行の支払い元でもある場合は、リンクを外す前に支払い設定を切り替える手順になります。履歴が残ることと、配信が続くことは別の条件。影響範囲はGoogle広告のMCCリンク解除に関する説明に整理されています。
請求元を別の代理店へ移す手続きでは、現在のお支払い元アカウントの管理者が関与します。新代理店が移行リクエストを受けたら、7日以内に承認または拒否する仕様です。担当と対応日を決めてから依頼しましょう。手順はGoogle広告の代理店間の請求先変更で確認できます。
GA4とGTM、他媒体の関連資産も引き継ぐ
GA4はアクセス解析、GTMは計測タグを管理する仕組みです。広告アカウントの権限を変更しても、これらの権限や設定を同時に変更したことにはなりません。
GTMではアカウントの管理者と、コンテナの読み取り・編集・承認・公開の権限が別です。自社に有効な管理者を少なくとも2人確保し、後任が担当する作業に必要な権限を割り当てます。GoogleのGTMのユーザーと権限の管理は、この管理体制を整えるための公式資料です。
Meta広告など他媒体も、広告アカウントだけでなく、関連するページ、Instagram、計測用のデータセットを棚卸しします。媒体ごとに所有・共有・操作権限の仕組みが違うため、Google広告のMCCと同じ移し方を前提にせず、資産ごとに引き継ぎの方法を決めるのが出発点です。
広告代理店の引き継ぎを進める5つの手順

引き継ぎは、資料を送ったかではなく、後任が運用を続けられるかで完了を判断します。契約上の通知期限を押さえたうえで、次の順に作業と確認を進めましょう。
契約書の終了条件を読み、通知期限、通知方法、最終の費用を整理します。後任の選定と並行して、期限内に必要な通知を出す段取りです。
終了日までに準備が間に合わない場合は、作業日程の調整や引き継ぎ支援の範囲を協議します。契約終了を先延ばしにするか、条件を調整するかは、合意した内容を書面に残しましょう。
広告・請求・計測・制作物を棚卸しし、それぞれの確認担当と資料の受領日を記入します。ログインできる人だけでなく、支払いとタグ設定を変更できる人まで含めた一覧です。
不明な項目は担当者と回答期限を決めます。アカウントの利用可否が決まる前に、新規開設だけを先に進めるのは避けましょう。
新代理店が必要な権限でアクセスし、既存の予算、配信対象、広告、成果の定義を確認します。変更が必要な支払い・計測は、切り替え日に間に合うよう設定する作業です。
新旧代理店が同時に設定を変えないよう、操作の担当と引き継ぎ時刻も決めましょう。同じアカウントを継続する場合、二つの運用を重ねることが目的ではありません。
広告のリンク先、予算、配信状態を確認し、必要なテストでタグの動作と問い合わせの受付を確かめます。テストの日時と結果を残し、計測上の重複や見落としを点検する段階です。
テストで分かるのは設定の動作です。広告経由の成果が本番で記録されるかは、切り替え後の実データでも追いましょう。
配信・計測・請求と必要資料の受領を確認し、旧代理店のアクセスを契約に沿って整理します。自社と後任の管理権限が残ることも、解除後に確かめる完了条件です。
広告だけでなく、GA4、GTM、素材の保管先、LPの管理画面まで一覧と照合します。未完の項目は担当者を決めて残し、全項目を完了扱いにしないことが大切です。
引き継ぎ表に担当者・受領物・完了条件を記入する
次の表は、媒体別のアカウントIDや担当者名を書き込むための土台です。受領物と完了条件を分けると、資料は届いたが必要な操作はできない、といった状態を見つけられます。
| 項目 | 確認・作業の担当 | 受け取るもの | 完了条件 |
|---|---|---|---|
| 契約 | 自社責任者・現代理店 | 通知期限、終了日、最終の費用 | 終了日と精算の扱いを書面で共有 |
| 広告アカウント | 自社管理者・新旧代理店 | 媒体名、ID、ユーザーとMCCの一覧 | 自社と後任が必要な権限でアクセス可能 |
| 支払い | 自社経理・新旧の支払い担当 | 支払い方法、請求先、切り替え日 | 切り替え後の支払い設定が有効 |
| 計測 | 計測担当・新旧代理店 | 成果の定義、タグID、共有元 | テスト結果を記録し重複を点検 |
| GA4・GTM | 自社管理者・計測担当 | プロパティ・コンテナID、権限一覧 | 自社に管理者が残り、必要な操作が可能 |
| 素材・LP | 自社制作担当・現代理店 | 合意した編集元、素材、管理情報 | 合意した範囲で再利用・編集可能 |
| 検証の記録 | 新旧の運用担当 | 施策、仮説、期間、結果 | 後任が採用・見送りの理由を把握 |
| 最終の権限整理 | 自社管理者 | 新旧のアクセス権一覧 | 配信・計測・請求の確認後に旧権限を整理 |
対象とする媒体や計測ツールが増えたら、同じ項目でも行を分けます。担当者が違うGoogle広告とMeta広告を一行にまとめるより、どちらに未完了の作業があるか追いやすい形です。
予算や担当体制から新しい依頼先を選ぶ基準は、以下の記事を参考にしてください。

代理店変更の費用は初期費用と重複期間を含めて比べる
見積もりは、新代理店の月額に、一時費用と旧契約の残額を加えた総額で比べます。月額手数料が下がっても、計測の再設定や素材の再制作が必要なら、初年度の支出は増えるためです。
見積書で一時費用と月額の範囲を分ける
| 費用 | 発生する作業・条件 | 見積もりで分ける点 |
|---|---|---|
| 新代理店の運用手数料 | 媒体・予算・担当範囲に応じた月額 | 最低額と、制作・分析を含む範囲 |
| 初期設計・引き継ぎ | 既存設定の診断、資料整理、再設計 | 引き継ぎだけか、再構築も含むか |
| 計測の修正 | タグ・成果の定義・連携の見直し | 修正するタグと、動作確認の範囲 |
| 素材・LPの制作 | 使えない素材の再制作、LP改修 | 引き継ぐ素材と作り直す素材 |
| 旧契約の残額 | 契約に沿った最終の費用・精算 | 終了月、残存期間、合意した金額 |
| 重複期間の費用 | 新旧の確認・引き継ぎ支援が重なる期間 | 両社の作業範囲と手数料 |
新旧の担当が確認のために重なる期間があっても、広告費を二倍にする理由にはなりません。予算の上限と設定を変更する担当を一本化し、重複する作業の手数料と媒体へ払う広告費を区別しましょう。
月額が安くても初年度の総額で逆転する
料金の比べ方を、仮定の見積もりで計算します。広告費と制作の条件は両案で同じとし、運用手数料と一時費用だけを比較する例です。
| 費目 | A案 | B案 |
|---|---|---|
| 月額手数料 | 8万円 | 10万円 |
| 12か月の手数料 | 96万円 | 120万円 |
| 初期費用 | 30万円 | 5万円 |
| 引き継ぎ・旧契約の精算 | 10万円 | 10万円 |
| 初年度の合計 | 136万円 | 135万円 |
A案は8万円×12か月+30万円+10万円=136万円。B案は10万円×12か月+5万円+10万円=135万円です。月額だけならA案が安いものの、この条件での初年度はB案が1万円低くなります。
翌年度に同じ初期費用がかからなければ、比較結果は変わります。想定する契約期間と業務範囲をそろえて、引き継ぎ後の支出も含めた見積もりにするのがポイントです。
広告費に対する料率と最低手数料の見方は、以下の記事で詳しく説明しています。

変更後の広告成果は同じ計測条件で検証する

代理店を変えた後は、同じ成果の定義、同じ費用の範囲、受注までの時間をそろえて評価します。問い合わせ数だけを成果とするのか、商談や受注までを見るのかで、変更の評価は違うためです。
切り替え直後は配信・計測・請求を優先して見る
最初に見るのは、成果の良し悪しより設定の動作です。予算の消化、配信の停止、リンク先、成果の記録、請求の設定を点検し、異常があれば確認担当へつなぎます。
同じ日に代理店、予算、LP、成果の定義を変えると、どの変更が数字に影響したかを切り分けられません。切り替え時点の設定を保存し、何をいつ変更したかを記録しましょう。
受注まで時間のかかる商材では、切り替え後に問い合わせた顧客の検討が終わっていません。変更前後の問い合わせが同じ程度の期間追跡されるように集計し、進行中の商談と受注済みを分ける条件が必要です。
問い合わせ単価が下がっても受注単価は上がる
次は、同じ集計・追跡条件で比較できると仮定した計算例です。成果の定義を問い合わせ、最終成果を受注に分け、手数料を含む支出も計算します。
| 指標 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 広告費 | 50万円 | 50万円 |
| 手数料 | 10万円 | 8万円 |
| 問い合わせ数 | 50件 | 80件 |
| 受注数 | 5件 | 4件 |
| 広告費だけの問い合わせ単価 | 1万円 | 6,250円 |
| 広告費+手数料 | 60万円 | 58万円 |
| 手数料を含む受注単価 | 12万円 | 14.5万円 |
広告費だけの問い合わせ単価は、50万円÷50件=1万円から、50万円÷80件=6,250円へ下がります。一方、手数料を含む受注単価は、60万円÷5件=12万円から、58万円÷4件=14.5万円へ上がる計算です。
問い合わせ数の増加が、事業の成果改善と同じとは限りません。対象外の問い合わせ、営業対応、受注単価、利益を追加で見て、獲得した顧客の質まで評価するのが大切です。
この例の件数だけで将来の成果を断定することもできません。十分なデータが集まるまでの判断条件と、営業側から返す情報を事前に決め、広告と事業の両方の数字を追いましょう。
LPの修正箇所と効果の検証を整理したい場合は、以下の記事も役立ちます。

広告運用の見直しをオークスに相談する
株式会社オークスの広告運用支援では、現状の広告アカウントを分析し、戦略設計、計測設定、広告素材の制作、LP改善を支援します。広告だけを調整するのか、問い合わせ後まで含めて課題を整理するのか、現在の状況から相談できる窓口です。
広告アカウントは顧客名義で運用し、データを開示する体制です。変更の相談では、いまの契約範囲とアカウント構成を伝えると、必要な作業と新たに任せたい範囲を分けて話を進められます。
- 出稿している媒体、予算、現在の成果の定義
- 不満に感じる点と、現代理店へ依頼した改善内容
- 契約の通知期限、アカウント・計測の管理者
- 切り替えたい時期と、任せたい制作・LP改善の範囲
新しい会社へ契約する前に、課題の診断と引き継ぎの整理から始めましょう。公開されている支援内容はサービスページで確認できます。
広告代理店の変更は引き継ぎの完了条件から進めよう
代理店変更は、次の会社を決めただけでは完了しません。変更で解決したい課題を定め、契約・操作権限・支払い・計測・素材を引き継ぎ、同じ基準で成果を追うところまでが一連の作業です。
- 改善の仮説と担当が明確なら継続して検証し、必要な体制がなければ変更を検討する
- 通知期限から日程を逆算し、媒体ごとに作業担当と受領する資料を決める
- 広告・請求・計測の動作を確認してから旧代理店の権限を整理する
- 変更後は総費用と受注まで比較し、次に直す箇所を判断する
最初の一歩は、契約の通知期限を開き、引き継ぎ表に自社の管理者と担当者を書き込むことです。変更するか迷う段階でも、いま確認できる項目から整理を進められます。








