
SEOの外部対策って、結局は被リンクを増やせばいいということですよね。

増やすだけでは足りません。自社メディアの被リンクを実測すると、過去に獲得した55,025本のうち、現存しているのはわずか2,966本(5.4%)でした。外部対策は「獲得数」より「何が残るか」を見て判断してください。
SEO外部対策を調べると、被リンクを集める方法を解説した記事が並びます。プレスリリース配信、業界メディアへの寄稿、SNSでの拡散。どれも間違いではありませんが、獲得した被リンクがその後どうなるかを検証した記事はほとんど見当たりません。
この記事では、自社で運営するメディア(過去最大月間60万PV・coffee-labo.co.jp)のAhrefs実測データを開示します。通算で獲得した被リンクのうち、実際に残っているのはごく一部でした。獲得方法だけでなく、外部対策の現実的な姿を数字で示します。
- 外部対策は他社サイトからの評価(被リンク・言及)を得る施策で、自社完結の内部対策とは役割が異なります
- 自社メディアが通算で獲得した被リンク55,025本のうち、現存しているのは2,966本(5.4%)でした
- 参照ドメイン数は2025年12月に1か月で3.1倍に急増し、2026年1月のピークから8月までに58%減少しました
- 上位DRの被リンクの多くはPR配信・UGCプラットフォーム由来で、営業して個別に獲得したものではありませんでした
- 被リンクの売買・過剰な相互リンク・自動生成は、Googleが検索スパムに関するポリシーで明示的に禁止する行為です

株式会社オークスでは実際のWebコンサルタントである、柏倉元太(@genta_oaks)が記事を監修。
月間数十万PVのメディアを複数運営しながら、現在はSEOからSNS、YouTubeまで様々な分野のマーケティング企業を運営。
SEO外部対策とは?内部対策との違い
実測データの話に入る前に、外部対策の位置づけを確認しておきましょう。
外部対策は他社サイトからの評価を借りる施策
SEO外部対策とは、他社サイトからの被リンクや言及を通じて、検索エンジンからの評価を高める施策の総称です。プレスリリースの配信、業界メディアへの寄稿、独自データの公開が代表的な手段にあたります。共通するのは、自社サイト内の作業だけでは完結せず、相手のサイトの判断やコンテンツ自体の魅力が要る点です。
内部対策との違い
対して内部対策は、タイトルタグや見出し構造、表示速度など、自社サイトの設定を調整する施策です。自社だけで完結でき、修正すれば数日から数週間で反映されます。外部対策は相手の協力が必要になるため、内部対策のような即効性は期待できません。
外部対策が軽視されると何が起きるか
外部対策を後回しにしたサイトでよく見る症状は、内部対策を整えているのに、順位が一定のラインから上がらない状態です。内部対策だけでは、検索エンジンに対して「他社からも評価されている」という信号を出せません。競合が多いキーワードでは、内部対策が同水準の相手同士を分けるのが、被リンクや言及の量と質です。
SEO外部対策の全体像(手法一覧)
外部対策の手法は、自社から働きかけられるものと、コンテンツの結果として発生するものに大きく分かれます。

| 区分 | 具体的な施策 |
|---|---|
| 自社から働きかけられる施策 | プレスリリース配信・業界メディアへの寄稿や取材協力・比較サイトへの掲載打診・SNSでの発信 |
| コンテンツの結果として発生する施策 | 一次情報・独自データの公開・ユーザーによる引用や言及(サイテーション)・良質なコンテンツの二次拡散 |
働きかける施策だけでは資産になりにくい
プレスリリースや寄稿は自社の努力で件数を増やせますが、1回の配信で得られる被リンクは限られます。継続的に被リンクを積み上げているサイトに共通するのは、働きかける施策と並行した、他社が引用したくなるコンテンツ、たとえば一次データや実測結果の発信です。次の章で示す自社メディアの実測データも、この「結果として発生する」形で獲得したものが中心でした。
自社メディアの被リンクを実測した結果
ここからが本題です。自社で運営するメディア(coffee-labo.co.jp、過去最大月間60万PV)の被リンクをAhrefsで実測しました。計測日は2026年8月5日です。

通算55,025本のうち、現存はわずか2,966本(5.4%)
| 項目 | 通算(all time) | 現存(live) | 生存率 |
|---|---|---|---|
| 被リンク数 | 55,025本 | 2,966本 | 5.4% |
| 参照ドメイン数 | 2,937件 | 698件 | 23.8% |
被リンクは通算で55,025本を獲得していましたが、現時点で残っているのは2,966本、率にして5.4%でした。参照ドメイン単位で見ても、通算2,937件のうち現存は698件(23.8%)にとどまります。被リンクは獲得したら資産として積み上がるものではなく、大半が自然に失われていくことが、自社の実測から分かりました。
失われる理由としては、リンク元記事の削除やリライトによるリンク削除、リンク元サイト自体の閉鎖、検索エンジン側の再クロールによるカウント除外が考えられます。個別の失効理由をすべて特定することはできませんが、被リンクは獲得した数だけでなく、現存している数を継続的に追ってください。
参照ドメイン数が1か月で3.1倍に増え、その後58%減った
| 時期 | 参照ドメイン数 |
|---|---|
| 2024年7月 | 122件 |
| 2025年8月 | 473件 |
| 2025年11月 | 441件 |
| 2025年12月 | 1,378件 |
| 2026年1月(ピーク) | 1,655件 |
| 2026年4月 | 1,179件 |
| 2026年8月(現在) | 694件 |
2024年7月の122件から2025年11月の441件までは、緩やかな右肩上がりでした。ところが2025年12月に1,378件へ急増し、2026年1月には1,655件でピークをつけています。1か月で参照ドメイン数が3.1倍に増えた計算です。その後は減少に転じ、2026年8月時点では694件、ピークから58%減っています。
急増の要因をすべて個別に追跡できているわけではありませんが、急増した参照ドメインの多くは短期間で失効しており、量の急増がそのままSEOの資産になったわけではありませんでした。被リンクの増減は、直近の増加数だけでなく、その後どれだけ残るかまで確認してください。
上位ドメインの内訳は、営業して獲得したリンクではなかった
| 参照元ドメイン | ドメインレーティング | リンク数 | dofollow |
|---|---|---|---|
| wikipedia.org | 97 | 1本 | なし |
| note.com | 92 | 24本 | なし |
| prtimes.jp | 91 | 48本 | なし |
| blogmura.com | 90 | 153本 | あり |
| hatena.ne.jp | 93 | 9本 | あり |
| ameblo.jp | 93 | 4本 | あり |
ドメインレーティングが高い参照元を見ると、note・PR TIMES・はてな・アメブロといった、誰でも投稿や登録ができるUGCプラットフォームやプレスリリース配信サービスが中心でした。営業をかけて個別に依頼したリンクではなく、コンテンツを公開・配信した結果として発生したリンクです。
なかでもblogmura.com(人気ブログランキングサイト)からの153本はいずれもdofollowですが、ランキング参加時に自動発行されるウィジェットリンクによるものです。件数としては大きく見えますが、次の章で紹介するGoogleが問題視する「テンプレートやウィジェットに埋め込まれた大量リンク」に近い性質を持つため、件数の多さをそのまま成果と捉えるべきではありません。
中小企業が現実的に取り組める外部対策
実測データを踏まえると、中小企業が優先すべきは「リンクを買う・交換する」ことではなく、自然に引用される状態をつくることです。
プレスリリース配信
新サービスの開始や調査結果の公開といったタイミングでプレスリリースを配信すると、配信媒体からの被リンクに加えて、それを見た他メディアからの二次的な言及につながることがあります。自社の実測でも、PR TIMESからのリンクが上位ドメインの被リンク数に含まれていました。ただし配信サービスからのリンクの多くはnofollowであるため、直接の評価向上よりも、二次的な言及を生むきっかけとして活用するのが現実的です。
一次情報・独自データの発信
自社で取得したデータや実験結果、業界動向の分析を公開すると、他社からの自然な引用につながりやすくなります。本記事で紹介した被リンクの実測データも、この一次情報にあたります。方法論だけを解説するのではなく、実際に計測した数字を添えることが、意図的な営業をしなくても被リンクを得るための現実的な手段です。
一次情報を発信する力は、記事そのものの書き方にも左右されます。自社メディア142本を実測したSEOライティングのコツは、別記事にまとめました。

サイテーション(言及)を増やす
被リンクを伴わない、社名や商品名だけの言及(サイテーション)も、Googleは検索結果の判断材料の一部として扱っています。SNSでの発信、業界の比較記事への掲載打診、口コミサイトへの登録は、リンクの有無にかかわらず言及される機会を増やす取り組みです。被リンクが発生しない場合でも、無駄にはなりません。
ここまでの3つを自社の工数だけで継続するのが難しい場合は、外部対策を含めたSEOコンサルティングに一部を任せる選択肢もあります。費用相場は別記事にまとめました。

避けるべき危険な外部対策
外部対策で気をつけるべきは、Googleが明確に禁止している手法です。知らずに手を出すと、被リンクの効果を得られないだけでなく、既存の評価まで失うリスクがあります。
Google公式の検索スパムに関するポリシーによる「リンクスパム」の定義は、検索ランキングの操作を主な目的としたリンクの作成です。違反行為の具体例は次のとおりです。
| 違反行為の分類 | 具体例 |
|---|---|
| リンクの売買 | リンク自体や、リンクを含む投稿に関する金銭・物品・サービスの授受 |
| 過剰な相互リンク | 相互リンクのみを目的としたパートナーページの作成 |
| 自動生成 | 自動化されたプログラムやサービスによるリンク作成 |
| 強制的なリンク要求 | 契約や利用規約でのリンク義務化、リンク属性の選択肢を奪う行為 |
| 低品質な大量配布 | 質の低いディレクトリ登録、ウィジェットやフッターへの大量埋め込み |
自社メディアの実測で紹介したblogmura.comのウィジェットリンクも、この「低品質な大量配布」に近い性質を持ちます。1件あたりの価値は低く、件数を増やすこと自体を目的にした施策には注意が要ります。
出典はGoogle「検索スパムに関するポリシー」です。
被リンクのセルフチェック方法(無料)
専用の有料ツールがなくても、自社の被リンクの状況は無料で確認できます。
Search Consoleで確認できること
| 確認する画面 | 見るもの |
|---|---|
| リンク > 外部リンク > 上位のリンクされているページ | 被リンク数の多い自社ページの一覧 |
| リンク > 外部リンク > 上位のリンク元サイト | どのドメインからリンクされているか |
| リンク > 外部リンク > 上位のリンクされているテキスト | どのアンカーテキストで参照されているか |
無料で確認できる項目
- Ahrefsの無料バックリンクチェッカーで、自社ドメインの参照ドメイン数の概算を確認する
- Google検索で site:自社ドメイン を使い、想定していないドメインからの大量流入がないか確認する
- 新しい被リンクが増えた際は、リンク元ページの内容が自社と関連しているか目視で確認する
- Search Consoleの外部リンク一覧を、四半期に1回程度は棚卸しする
被リンクの数だけを追うと、blogmura.comのようなウィジェット由来の増加を成果と誤認しかねません。リンク元ドメインの質と、内容との関連性を合わせて確認することをおすすめします。
SEO外部対策に関するよくある質問
- 被リンクは今でもSEOに効果がありますか?
-
効果はあります。ただし自社の実測では、通算で獲得した被リンクの94.6%が現時点で失われていました。被リンクは獲得して終わりではなく、獲得数と現存数の両方を継続的に確認する必要があります。
- 被リンクを増やすには何から始めればよいですか?
-
中小企業がまず取り組みやすいのは、プレスリリース配信と、自社の一次データや実測結果の公開です。自社メディアの上位ドメインの多くも、PR配信やコンテンツの拡散によるリンクが中心で、営業活動によって個別に依頼したリンクではありませんでした。
- 参照ドメイン数が急に増えたら良い兆候ですか?
-
必ずしもそうとは限りません。自社メディアでは参照ドメイン数が1か月で3.1倍に増えた後、8か月かけて58%減少しています。急増の内訳がウィジェットや低品質な大量配布によるものである場合、その後は失効しやすい傾向です。
- 被リンクを買うのは違反ですか?
-
Googleは検索スパムに関するポリシーで、リンク自体やリンクを含む投稿に関する金銭・物品・サービスの授受を明確な違反行為として挙げています。相互リンクのみを目的としたページ作成や、自動化ツールによるリンク生成も同様に禁止行為です。
- 被リンクの状況はどうやって確認できますか?
-
Search Consoleの「リンク」メニューから、自社への被リンク数とリンク元サイトの一覧を無料で確認できます。参照ドメインの月次推移や生存率まで見るには、AhrefsなどのSEOツールを使います。
SEO外部対策で押さえる要点
外部対策は「被リンクを増やす」ことより、「増やした被リンクがどれだけ残るか」まで見る視点が抜け落ちがちです。
- 外部対策は他社サイトからの評価を得る施策で、自社完結の内部対策とは役割が異なります
- 自社メディアが通算で獲得した被リンク55,025本のうち、現存しているのは2,966本(5.4%)でした
- 参照ドメイン数は1か月で3.1倍に急増した後、ピークから58%減少しました
- 上位ドメインの被リンクの多くはPR配信・UGCプラットフォーム由来で、営業して獲得したものではありませんでした
- 被リンクの売買・過剰な相互リンク・自動生成はGoogleが明示的に禁止する行為です
掲載した被リンク数・参照ドメイン数の推移は、自社メディア1サイトの実測データです。獲得経路や失効理由のすべてを個別に特定できているわけではなく、他のサイトで同じ傾向が出る保証もありません。ただし、被リンクの獲得数だけを追いかける記事が大半を占めるなかで、実際にどれだけ残っているかを開示した記事はほとんどありません。自社の被リンクも、まずは現存数を確認するところから始めてください。







